【25年前の金型交換作業】
当時の金型取り付け、取り外しは撞木にて行われておりました。なおかつ、場合によっては、楔(栓)との間にホルダーをいれ、人が介在し金箸にて調整しながら撞木を打っていました。このことにより、多くの事故が発生していたのが現実です。
金型を交換するのは特殊技術が必要であり、作業できる職人が一工場に一人二人であり金型を交換するのは、工場の親方であり、また工場長でもありました。
当時、金型交換に伴う事故比率は0.5%と異常に高かったことを記憶しております。事故がないことが大変貴重なことであった時代でした。
【お祭り】
当時、金型交換を無事終わるとお祭り的に長時間の一服やすみが定例化されていました。金型交換の事故がなかった、上下の金型が調整がうまくいったことに対するお祝いでした。型変えの日は一日の1/4はお祭りの時間であったようです。また、時間によっては、お酒が入りその日は作業にならなかったとよく聞きました。
【作業改善】
S機械製作所様の鍛造担当専務と工場長から危険と労力・時間の排除を考えた金型楔の打ち抜きの合理化として、撞木ハンマーという作業を職人技から機械化できないかという作業改善を提案されました。
当時調査をしたら、世界にはこの金型交換の効率化をおこなう機器は存在していませんでした。
【開発の苦労】
開発の条件として、
- 楔に力を伝えることは水平であり、垂直にパワーを伝えること
- ホルダーの中持ちがいない事
- ハンマーにあるエネルギーを利用する
- 簡単に据付、撤収できる
その中でも、どのくらいのエネルギーが必要か、そのエネルギーを調べることに苦労しました。当時、大学等にいって調べてもなかなか要領を得ることができなく、往生したものです。しかしながら、県の技術センターの課長が、このことを解決してくれ開発の励みになった喜びを今でも忘れません。
技術的なことであり、当社の苦労して積み重ねてきた財産なのであまり詳しいことがいえませんが、ピストンとパワーロットの材質を決めるには繰り返し試作を行いました。また、S機械製作所様には現場提供を受け、多くの開発に伴うご援助をうけました。
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