【開発後】
一番抵抗があったのは、撞木を扱う職人工場長でした。
職人の方には容認できづらかったものですが、経営者は安全に対して理解して採用してくれはじめました。新潟県内には鍛造メーカーが多く、口コミで少しづつですが浸透しはじめたものです。撞木を扱う職人工場長がなかなか経営者と一体感をもつことができなく導入に時間がかかったものです。
監督官庁からの安全への啓蒙として当社エアパンチを推薦され、新潟県を中心に全国の鍛造業界にもしれわたってきました。
【改良と競合】
最初は、反動によって部品、本体の改良に費やされたものでした。
しかしながら、改良に伴う環境として、当社は大変恵まれておりました。鍛造メーカーが集中した三条地域が近くにあるおかげで各種の改良を鍛造工場でおこなっていくことができたのです。技術的に言いづらいことが多くありますが、この環境があるおかげで今でもエアパンチを作りつづけていけるのも地域企業様のおかげと感謝しております。
私どもの会社は営業が得意でなく、当社の商品を全国的に十分に反映することはできませんでしたが、鍛造業界において、安全・効率化におおいに役立つ商品であるならドンドン他社も開発をしていくべきと当時は負け惜しみ的に考えていたものです。
現在、私どもがしっている限りですが鍛造ハンマーメーカー1社が継続的に制作をしているだけになりました。それも、専門的に作っているわけでなく鍛造ハンマーの一工具としての扱いかと思われます。
【作業改善】
S機械製作所様の鍛造担当専務と工場長から危険と労力・時間の排除を考えた金型楔の打ち抜きの合理化として、撞木ハンマーという作業を職人技から機械化できないかという作業改善を提案されました。
当時調査をしたら、世界にはこの金型交換の効率化をおこなう機器は存在していませんでした。
【エアパンチが鍛造業界にもたらした成果】
- 事故の撲滅ができた。
- 鍛造業界の特殊な風習を改良できた。
- 効率化ができ、多品質少量化に大きく寄与している
- 労力の削減に伴う、高付加価値の創造を作り上げた。
- 劣悪作業環境への他への挑戦に寄与する
私は、最初この商品は鍛造ハンマーの金型交換の一工具と考えていた時期がありましたが、今、このエアパンチは、鍛造業界の業界風(社風と同じ意味)を変えることができた商品と自負することができるようになりました。
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